パーティ編成

 義士の伝説RPGの特徴の一つは、魔法が系統ごとに細分化していることです。この系統は数が多く、一人で全てを修得することはできません。その為パーティのメンバーで分担して覚えることになります。
 ではいくつかのパーティ編成例を紹介しましょう。なお技能は経験値「4000」を消費して修得します。

3人パーティの場合

1.武術師(魔法戦士)
【戦闘(1000)+武術(2000)+魔法2系統(1000)】
 魔法は「火星」などの戦闘系や「水星」「土星」など戦闘以外でも使えるもの。
2.眩惑戦士
【戦闘(1000)+間者(2000)+魔法2系統(1000)】
 魔法は「幻覚」「精神」「月」「水星」など間者技能との相性の良いものや、「保護」「治癒」「金星」などの攻撃補助・保護・治癒系のもの。
3.魔法戦士
【戦闘(1000)+魔法6系統(3000)】
 「炎」「電撃」「冷却」などの攻撃系と「保護」「木星」などのいざというときに役立つカウンター系の魔法。

 3人パーティの場合、回避力の低い魔法使いを守って戦うことが困難な場合が出てきます。そこで全員に戦闘技能を持たせ、自分の身を守れるようにします。また魔法はなるべく多くの系統を覚えることをおすすめしますが、「治癒」など複数のメンバーが覚えているほうがよい魔法もあります。

4人パーティの場合

1.ナイト(魔法戦士)
【戦闘(1000)+武術(2000)+魔法2系統(1000)】
 魔法は「火星」などの戦闘系や「水星」「土星」など戦闘以外でも使えるもの。
2.歩き巫女(影)
【戦闘(1000)+間者(2000)+巫女(1000)】
3.プリースト(魔法戦士)
【戦闘(1000)+プリースト(2000)+魔法2系統(1000)】
 「保護」「治癒」はプリースト技能に含まれるので、それ以外で4人目とは別系統の魔法。
4.理力使い(魔法使い)
【理力使い(2000)+魔法3系統(1500)+知識+2(500)】
 理力使いの超理力と重ならないような「炎」「電撃」「冷却」などの攻撃系の魔法や自己の身を守る「保護」の魔法。

 4人目が魔法に特化しているので、戦闘時はナイトが守りながら戦いましょう。相手が「死霊」の場合、歩き巫女とプリーストが活躍できます。特に巫女が最も力を発揮するので、場合によってはナイトにサポートに回ってもらうのがいいでしょう。
 超理力を覚える代わりにさらに4系統の呪文魔法を増やすという選択もあります。ただ超理力には言葉を必要とせずに使えるという利点がありますし、理力使い技能には理力耐性のスキルもあります。魔法の数を増やすか、使いやすさを選ぶかは悩みどころです。

 これはあくまで例ですので、魔法を使わない戦士を作ることももちろんできます。一緒にプレイする人と相談した上で、好みのキャラクターを作成してください。


武士・巫女・妖怪について

 世界が統一される前のマテリアには様々な国家・集団がそれぞれの文化を保って存在していました。その中のある大きな島には「刀」を使う武士、「けがれ」を祓う巫女、そして「死霊」と深い関わりを持つ妖怪が生きていましたが、その島は「義(とも)」または「義(とも)の国」と呼ばれていました。

 「義の国」は他の地域と違う異質な国で、現在でも歴史家を悩ませています。それは周辺地域との関連性を証明できない文化が、多々存在するからです。確かに島国と言う特殊性はありますが、交易等の交流があるにも関わらず周辺とは明らかに違う文化が多すぎるのです。

 この島に住む人々の多くはかつて次のような神話と共に生きていました。それは自分たちの先祖はかつて遠い島に住んでいたが、そこから長い洞窟を抜けて義の国にやってきたというものです。この神話が義の国のいろいろな村から報告されたため、学者の中にはまだ発見されていない異世界の存在を唱える者もいます。

 世界が統一され義の国の都市「間命(あいな)」は一時帝都となりました。そして一部の武士・巫女・妖怪たちは他の場所に強制移住させられ、他の民族・種族がこの島に移り住むことになったのです。神話の意味合いは薄れ、「義の国」も今では「間命島(あいなとう)」という名で呼ばれるようになりました。現在の間命島ではエルフやドワーフ、セイレーン‐アイレなどを目にすることができます。間命島生まれのドワーフが鍛えた刀は世界の武士が欲しがる「名刀」です。


河童の遊び方(前編)
〜ある河童と皇帝の物語〜

 

 遊び方を説明する前に、全国に伝わる有名な河童のお話を紹介しましょう。それは皇帝ファウアーが世界統一のため各国と戦争をしていたときのお話です。  

 妖怪の楽園「義(とも)の国」には後世になって戦国大名と呼ばれる地方勢力が各地に割拠していましたが、次第にファウアーの皇帝軍に滅ぼされ、一つずつ姿を消していきました。それは戦国大名同士の同盟がうまく機能しなかったことが大きな原因ですが、その背後に「影王」の分裂工作があったと言われています。  

 この戦争に河童も巻き込まれることになったのですが、「河部(かわべ)」という集落は戦国大名派に、「旧里(きゅうり)」という河童集団は皇帝派となって戦いました。「河部」と「旧里」は住んでいた場所も近く互いに婚姻等で結ばれていた間柄でしたが、結果として戦うことになってしまったのです。元々どちらも人間との交流が多かったわけではありません。しかし「河部」の生活圏が水運の便の良い場所であったため、次第に戦国大名の支配下に置かれていったのです。水運の利が注目されたのは、そこに通じる新しい港が開かれたためでした。元々小さな港はありましたので正確には拡張ですが、それは皇帝軍に押さえられた港の代わりに作られたのです。たいした抵抗もなく拡張できたのは、もしかすると皇帝が黙認していたからかもしれません。あえて海に「すきま」をつくったかもしれないのです。  

 皇帝軍の侵入がなければ戦国大名も強引な方法を取らなかったかもしれません。侵略に恐れを感じた戦国大名は、多勢による残虐な方法で「河部」を支配下に置きました。「河部」は仲間を殺され深い憎しみを持っていましたが、戦国大名に従うという苦渋の選択をしたのです。  

 この状況を見ていた皇帝は「影」を使い、「旧里」の懐柔を図ります。「河部」の惨状を見ていた「旧里」の河童たちは合議の結果、皇帝側につく決断をしました。それはけして「河部」に敵対するためではなく、戦国大名から友を救いたかったからでした。しかし結果はお互いが戦うことになってしまったのです。皇帝軍を後方から支援するために物資を運んでいた「旧里」に対し、戦国大名は「河部」の河童軍を差し向けました。そこから河童同士の戦いが始まったのです。  

 当時の「旧里」の長は「更光(さらひかる)」という名の若武者でした。「その刀捌きは河童髄一」と言われるほどの剣豪で、すべる水かきを利用したフェイント技「かぶらめくり」は破られたことない必殺刀法といわれています。更光は「河部」の出身でしたが、婿養子として「旧里」に入りました。男性が他の集落に移るというのは前例のないことでしたが、かつての「旧里」長で更光の義父「日可津(ひかつ)」の一言で実現しました。しかしその後一年で妻を亡くし、さらに日可津もあとを追うように死んでしまったため、更光が「旧里」の長となったのです。  

 更光の心中は複雑でした。「河部」とは戦いたくはない。しかし「旧里」の長として集落のみんなを守らなくてはいけない。「河部」と交戦してからはさらに、その心を痛めていました。  

 仲間同士の戦いが始まってから一ヶ月ほど経った日、負傷する仲間を見ながら更光は一つの決断をしました。河童同士で戦うなんて間違っている。元凶を断たねばならない。長い苦悩ののち更光の出した答えは、皇帝ファウアーの暗殺でした。戦国大名よりも皇帝の方に非があると判断したのです。  

 更光はその刀の腕を見込まれ、皇帝との謁見を許されていました。しかもその席での帯刀も皇帝から特別に許可されていたのです。皇帝に恨みはありません。負傷した仲間をいたわり、年老いた河童たちを手厚くもてなしてくれた皇帝個人には私怨などないのです。皇帝は「河部」の救出も約束してくれたため、このままの方がよい結果になるとも考えました。しかし義の国へ侵攻は紛れもない事実です。大義名分など、どんな言葉を尽くされても納得はできません。義の国を守るためには皇帝の排除しかない。更光の考えは決まっていました。間合いさえつめれば何人衛兵がいても必ず皇帝をしとめることができる。魔法の存在も考慮に入れていましたが、旧里流河童刀法最大の奥義「かぶらめくり」には絶対の自信があったのです。それはこの技が霊力によって「魔法防壁」を無効化するものであったからです。  

 更光が決意し、皇帝の元に行こうとしたその時でした。仲間といた「旧里」の長の下に皇帝自らがやってきたのです。更光は驚きましたが、かえってその本意は遂げやすくなったと、その訪問を歓迎しました。数人の衛兵を入り口に残した皇帝は、更光と共に屋敷に入っていきました。屋敷といっても畳のある部屋ではありません。各所に池があり、切り株のいすがいくつもあります。この屋敷に入り口はありますが屋根はありません。床は湿っていたり、水溜りがあったりします。河童の「家」はそのようなものなのです。  

 今は二人きり。皇帝と呼ばれる男と刀法優れた河童の長のみです。更光はいつでも行動に移れましたが、皇帝が何しに来たのか少し気になっていました。いつでもできるなら急ぐ必要はない。そう考えたのです。  

 皇帝を少し濡れている切り株の椅子に座らせると、更光も近くに座りました。正直なところ濡れた椅子にすんなり座るとは思わなかったので、更光は皇帝という人間に不思議な気持ちを持ちました。濡れているのは見れば分かったはずです。それなのに何事もなく座りました。そしてその後しまった、という顔をしたのです。それがとてもおかしく見えました。  

 椅子に座った皇帝は落ち着かなさそうにしています。それは帝国の重臣を前に毅然としていた皇帝とは全く違った印象でした。何も言わぬファウアーに対し、更光は何か声をかけようとしました。  

 すると男はさらに奇妙な行動をとったのです。いきなり立ち上がって靴を脱ぎだしかと思うと、今度は近くの池に向かっていきました。  

 おかしい。この人間はおかしい。更光は河童ですが、人間をよく知っています。他国の人間であろうと、数ヶ月その生活を見てきたのです。行動というより雰囲気に異常さを感じました。  

 ファウアーは池に入り下半身を濡らしました。更光には理解のできない行動です。しばらく見ていましたが、じゃぶじゃぶと歩き回ってそこから出てこようとはしません。近くで見る河童の長はいい加減にして欲しいと思いました。異常を目にしている肌寒い思いと同時に、わけの分からない不愉快さを感じたのです。  

 更光は思わず声にしました。「何しに来たんだ、あんたは!」それは人間の言葉です。河童は嘴を持っていますので、言葉はうまく話せません。しかしその姿以外に実は「もう一つの形」を持っているのです。河童と人間、二つのスピーシーズ(種)を持つ生物が河童という種族なのです。  

 背を向けていた奇妙な男に対し、人間の姿へと身を変えた刀使いは、疑問を投げかけずにはいられませんでした。その声を聞いて池の中の男の動きが止まりました。そしてゆっくりと振り向きます。その顔はしっかりと前を見ていますが、厳しいものではありませんでした。そしてこう口を開いたのです。「君と言葉で話したいと思った」。  

 人間の姿の河童は驚きましたが、その表情からここに来た目的と、そして今までの不可思議な行動の意味を悟りました。自分は言葉を発することによって、自ら暗殺のチャンスをなくしたのです。今はもう奥義を使えません。人間の姿になったからではなく、その決意を捨ててしまったからです。更光は交渉の席に付かなくてはならなくなりました。それは暗殺という手段ではなく、話し合いという方法を自らが選んだからでした。気持ちがそちらに向いてしまったのです。  

 皇帝は池から出てくると、先ほどの湿った椅子に座りました。ズボンがびっしょりと濡れているので、もう椅子に座る抵抗感はありません。そして隣に座る人間で河童の更光に話しかけました。その内容はいままで見てきた国々の話で、義の国ことについては全く口にしませんでした。更光の方から聞きたいこと、言いたいこともありましたが、ただ耳を傾けて聞いていました。  

 そうしている二人だけの場に、断りもせず河童の仲間が駆け寄ってきました。嘴で声を発していましたので皇帝には何のことか分かりませんでしたが、人間の姿の更光はその内容を理解しました。それは「河部」を支配下においていた戦国大名の拠点を「影」の部隊が急襲し、離反しないよう捕らえられていた河童を助け出して、さらに混乱に乗じて河童の部隊を本体から切り離したと言うことでした。「河部」は戦国大名のくびきから逃れたのです。  

 その内容を皇帝ファウアーに伝えると、皇帝は立ち上がって喜びました。更光ももちろん嬉しかったのですが、何か皇帝の思い通りに進んでいる出来事に、不安を持ったのも確かでした。  

 その後義の国の軍事勢力は同盟し新設の港に水軍を結集して戦いましたが、帝国海軍の前に無残にも敗れ去りました。この連合水軍の敗北から三ヵ月後、義の国は帝国領の一部となるのです。  

 それから「河部」と「旧里」は合同して一つの村に住むことになりましたが、更光はファウアーに従って義の国を出ることになりました。それは皇帝を監視する目的があったからですが、個人的にファウアーに惹かれる気持ちもあったようです。  

 義の国がなくなってから五年後、この島で帝国に対する反乱が起きました。その際帝国に協力した河童の里に反乱軍が押し寄せましたが、それに対する防衛軍の中に更光の姿がありました。反乱はひと月もかからず鎮圧されましたが、その刀の腕を称えられた河童武者はこの戦いで命を落としたのです。  

 それから義の国に住んでいた者たちは強制移住で帝国各地に分散させられましたが、更光が治めた里は「間命島(あいなとう)」と呼ばれている今でも、同じ場所に残っています。  

 命を懸けて戦った更光のことは「河童義士」伝説として、人々の間に語り継がれています。


河童の遊び方(後編)
〜クールに行こうぜ〜

 前編は長々と物語しましたが、後編はいよいよ実践編です。河童はこうやって楽しみましょう。

 まず河童は言葉が話せません。河童同士の簡単なコミュニケイションは可能ですが、超理力以外の魔法は使えません。ですから魔法を使う場合には人間の姿にならないといけないのです。でも待ってください。人間の姿になった河童ってホントに河童と言えますか。そんな声も聞こえてきそうです。人間の姿になるのを邪道とするあなたには、河童フォームでずっと楽しむ方法をご紹介しましょう。

 TRPGの楽しさの一つは、いろいろイメージして遊べることです。最近の河童は頭の皿が乾いても平気で生きていけますが、常に湿り気を欠かさないのが、河童紳士の身だしなみというものです。いかなる時も程よく濡れた状態を保つように、水を入れた竹筒は肌身離さず持っていましょう。

 河童は胡瓜(きゅうり)が好きだとも、嫌いだとも言われています。確かにきゅうりアレルギーの河童は、食べるとお腹をこわしてしまうことがありますね。しかしです。やはり河童ダンディに憧れるあなたはきゅうりの一服を欠かすことはできないでしょう。たそがれの一服姿が一番という河童ギャルの意見は今も昔も変わりません。でも河童マセガキにはまだ早すぎます。背伸びしたい気持ちも分かりますが、河童ママはよくお子さんの行動に注意して下さい。引き出しにきゅうりが一本なんてことのないよう、しっかりと。

 戦闘だって河童の得意とするところです。その濡れた水かきに握られた刀の一撃はドラゴンにさえ致命傷を負わせると言われています。でも水かきって濡れてますよね。すべって落としたりはしないのでしょうか。そうなんです。実は河童の手は思った以上に濡れています。これでは思うように扱えない気がします。しかしそこを鍛錬で克服するのが、河童努力マンというものです。思い出してください。あなたが河童少年だったとき、いつも心に描いていたあの英雄のことを。そうです。少年のときのあなたは誰もが知ってる「河童義士」更光(さらひかる)に憧れて、日が暮れてもずっと刀の練習をしていたはずです。帰るのが遅くなって、よく河童お姉ちゃんに叱られたこともあったでしょう。夕飯のとき「好き嫌いをしていると立派な河童義士にはなれないわよ」というのが河童ママの口癖でしたね。

 あなたはもうその心意気だけは立派な「河童義士」です。幻といわれている河童刀法最大の奥義「かぶらめくり」もいずれ修得することができるでしょう。きっとあなたの努力を大木の陰から河童あきこさんが見ています。

 嘴では話せない。しかし相手の技をカウンターで返してニヒルに笑ってみせる。それが河童クール。河童の醍醐味がここにあります。